
★特長
本文448ページ
直木賞受賞
本屋大賞ノミネート第9位
4大ミステリーランキングで第1位獲得
戦国時代、籠城中の有岡城(兵庫県伊丹市)を舞台にしたミステリー。
主人公であり城主である荒木村重が、城内で順次起こった4つの殺人事件を解決すべく、地下牢に幽閉中の黒田官兵衛に相談するスタイル。
★魅力
冒頭で、籠城中の城が堕ちる原因は、
外敵ではなく、
「部下同士の不和」「部下の頭領への不信」
にあると主人公が言っている。
次々と起こった4つの事件は、いずれも落城への
火種となるものばかり。
「こんな組織は崩壊する」といった組織論としても面白いです。
優秀な頭脳を持つ黒田官兵衛は、牢から出ることなく、村重からの詳細な事件の情報をもとに真相を解明、歌や言葉でヒントを与える。
官兵衛の安楽椅子探偵ぶりは痛快。
★感想
4つの事件のミステリーとしても面白いが、
村重へ恨みを抱く官兵衛と、
生かしてやっていると思っている村重のギャップ、
と知恵比べが面白い。
村重が家来たちの言動に敏感で、
謀反の芽を感じ取ろうとしているところに、
組織運営を題材にしたサスペンス性を感じる。
最後まで読むことにより、4つのバラバラな事件が見事に繋がります。
★オススメの人
時代の背景(織田、本願寺、毛利など)を知る方には、よりミステリーとして手軽に楽しめます。
背景が分からない方は、ネットなどで簡単に「荒木村重」「黒田官兵衛」など調べながら読むと、理解しやすいと思います。