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小説でビジネススキルを磨く

大人に小説読書をお勧めする理由

 

その③交渉力や段取り力が身につく、鍛えられる

 

B社のA取締役は、社長の信認が厚く現場を任されていました。

 

A取締役は女性なのですが、クレーム処理、トラブル処理が大の得意。

 

やっかいなクレームやトラブルほど「燃えちゃうわ!」とやる気満々。

 

女性ながら頼もしい上司でした。

 

A取締役のクレーム処理の特長は、スピードと先読みと準備、段取りの良さです。

 

例えばB社とC社が金銭トラブルになったとします。

 

B社がC社に代金を請求したところ、C社はそのサービスへの不満を盾に代金を払わない。

 

B社→C社へアプローチ、それに対しC社→B社へ応酬。

 

お互いがお互いの言い分を一歩も譲らず平行線。

 

普通はこうなるところを、

 

先ほどのA取締役が対応をすると、最初にアプローチするときに、

 

そのアプローチに対する相手の出方を見るのでなく、何種類も何手先も予測し、

 

関係部署に連絡相談して次の手を何個も用意したうえで臨みます。

 

相手が一手打つ間に二手三手同時に打ち、相手を後手後手にまわらせ、

 

どんどん追い詰めていきます。

 

結果、C社の最初の主張は通らなくなり、代金を回収することに成功。

 

クレーム処理、問題処理で大事なことは、正しいか正しくないかよりも、

 

いかに相手よりスピード感をもって対応できるかだなあと痛感しました。

 

A取締役はなぜ、何手も先を読み、スピード感をもって有利に交渉できるのか?

 

直接お聞きした時の、A取締役の答えが意外なもので印象的でした、

 

「私ね、小説読むのが大好きやねん。それも海外のもの。時間あったらなんぼでも読んでる。

 

休みの前の日なんか朝まで読んでることあるわ。

 

読み進めるのが楽しみで、先の展開を何パターンも予測しながら読んでるわ。

 

もしかしたらそれが役立ってるかもしれへんわ。」

 

そういえば社員旅行での特急電車で、他の社員が酒を飲みながらおしゃべりしているのには耳も目もくれず

 

ご自身はずっと一人で本を読まれていたのを思い出しました。

 

スキルアップに効果があったのは、意外にも「交渉術」の「自己啓発本」を読むことではなく、

 

好きなジャンルや好きな作家の小説を、先読みしながら読むことでした。

 

A取締役は、日本の小説はあまり読まない、海外の小説がとても面白いとのことでした。

 

いかがでしたか?

 

このことは社外のクレーム処理トラブル処理だけでなく、

 

社内社外のいろんな場面でも有効なことだなあと感心しました。

 

(写真はイメージです)

 

まずは興味のもてる話題や分野の小説から、娯楽のつもりで読んで見られてはいかがでしょうか?

 

苦手なことの克服や、スキルアップにつながるかもしれません。